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現代で言う昼過ぎ。紫と有は再び博麗神社の賽銭箱前に来ていた。ちなみに、昨日というかほとんど今日だが2人は紫のスキマの中で時間を過ごした。有は仮眠を取り、紫は適当に・・・有にイタズラをしたかどうかは読んでいる皆様のご想像にお任せする。
「てか、紫さん・・・何で僕に寄り添っていたんですか?まだ心臓が落ち着かないですよ・・・。」
全く空気の読めない主人公である。
「貴方がどういう反応するのか気になってしまって。ふふっ。」
胸の下で腕を組み、胸を強調させる女性特有?の姿勢をしている幻想郷の賢者。
「紫さん、また俺をからかってますか?」
紫を真っ直ぐ見れない有。眼が右往左往に泳ぐ。
「からかってる訳じゃないわよ?いい?有。女の子というのは誰かを振り向かせようと必死になる生き物なのよ?わかる?」
「はぁ・・・で、それがどうしたんです?」
「私は貴方に振り向いて欲しいの。ちゃんと私を見て欲しい。だから色々と実験してみるのよ?」
「そのお陰で、俺はいつも緊張状態ですけどね。」
「まったく、私ん家の前で、しかも賽銭箱の前で痴話喧嘩とかやめてくれる?紫もさ、その子ドンカンなんだから拉致っちゃえばいいのよ。」
第三者の声、博麗霊夢。襖が開き姿を現した少女の格好は巫女とも呼べるべき、紅白の巫女服(袖別離版)を着て頭には大きな赤いリボンをつけた夜とは大違いの少女の姿。
「あぁ、なるほど。」
ぽんっと手を叩いて納得する紫。
「そんな恐い事言わないでくださいよ・・・。」
「冗談よ。じゃあ霊夢頼むわよ。」
「はいはい、とりあえずもうすぐ異変が起きるから空見てみなさい?」
「異変?空?」
霊夢の言葉を理解出来ないまま、言われた通りに空を見上げる。すると、遠くの方から赤い霧が空を覆い始めた。
「何ですか?これは・・・。」
「名を紅魔異変。幻想郷に紅い霧が立ち込め太陽が姿を表さない一人の吸血鬼が起こした異変。」
「霊夢?これはどういう事?」
「レミリアに頼んで前と同じことをしてもらったのよ。この子の能力を見るためにね。」
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