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「こんな大がかりな事しなくても良いんじゃない?ただ単に能力判定するだけでしょう。」
「単にやるだけじゃ面白くないじゃない。それに紫と一戦交えたと言ってもかなり手加減しているはずの紫相手だしね。本当の実力を見るなら丁度いいと思わない?」
霊夢はお払い棒をクルクルと振り回し弄びながらなんと清々しい笑顔で言った。
「・・・有はそれで良いと思う?」
少し呆れた様子で紫は有に問う。
「あまり無意味な戦闘はしたくないんですけどねぇ・・・。」
「意味ならあるわよ?幻想郷に立ち込めた怪しげな霧の出所を探して犯人をぶっ飛ばすって言う建前が。」
「でも、そういうのはバランサーである霊夢さんの仕事では?」
「私は面倒だからパス。サポートなら紫がいるし大丈夫でしょ?」
この巫女、滅茶苦茶である。
「なんか言った?」
「誰に言ってるの霊夢?」
「え?あ、いや私をバカにしている様なナレーションが聞こえたような聞こえないような・・・。とにかく、これは私からの依頼よ。この霧を晴らしてちょうだい?」
にっこりと笑うが、なんか恐い巫女の顔。威圧感が半端ない。
「わかりました・・・。やりますよ。」
渋々首を縦に振る有。
「あらそう。よかったー。貴方ならきっとやってくれると信じていたわ。」
棒読み。
「・・・霊夢が意地悪な娘に育って私は悲しいわ・・・。」
涙を浮かべる紫。
「・・・人間てここまでの棒読みが出来るもんなんですね・・・。」
仕方なく有は、どこからともなく白い剣を取りだし右手に持つ。
そして、空に広がる紅い霧を見つめた。
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