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竹林に姿を現した巨大な化物。四足歩行系で頭は犬系で尻尾が一本、体長約10メートル辺り。要約すると犬科の化物である。化物は竹林を暴れまわる事も無く、息を荒々しくして何かを待っている様子だった。輝夜、紫、鈴仙の3人は、有を部屋に残して外に出ていた。
「どどどどうしましょう!?」
慌てる鈴仙。
「あんな化物見たこと無いわね・・・。」
冷静な紫。
「とりあえず弾幕ぶっ放してみる?」
暢気な輝夜。
「・・・あれは・・・。」
部屋に残っていたはずの有が遅れて外に出てきた。グルグル巻きの包帯姿で。当然、先に来ていた3人はビックリする。
「ちょっと有!?まだ動いちゃダメでしょ!?何してるの!?」
一番驚いたのは意外に輝夜だった。
「有さんはまだ動いちゃダメですよ!傷口が広がってしまいますよぉ!」
鈴仙も混乱している様子で頭を抱えてこの場の状況を理解しようとしている。
「戻りなさい。貴方は足手まといよ。黙って傷でも直してなさい。」
紫は至極冷静であえて酷しい言葉を有に向ける。だが、有は
「・・・あれは、俺がやらなくちゃいけないんです。」
髪の毛が逆立ち白く染まっていく。
「俺がぁ・・・俺をぉ・・・!」
「・・・有?(何?この急激な力の増幅は・・・)」
「ウォォォォォォォ!!」
「ウォォォォォォォ!!」
今まで動きを見せなかった巨大な化物が吼えるとそれに呼応するように有も吼えた。髪の毛は白く染まり目もつり上がり、体の回りには電気が発生している。まるで別人。面影が一切無かった。
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