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翌朝、目を覚ますと妹紅の姿が無いことに気付いた。体を起こして部屋を見回して見るもやはり彼女の姿はなかった。
「どこいったんだろ・・・。」
少々不安になりながらも有は立ち上がり家を出た。扉を開けると竹林が広がりその間からは日光が差し込んでいる。
「妹紅さんの言う通り竹林だったのか・・・。」
昨日の話から自分が竹林の中で倒れていた事を聞かされていたので、ここで改めて納得したのだろう。それにしても彼女はどこに行ってしまったのか。
「おっ、有。起きていたのか?」
そんな心配を消し去るかのように妹紅は竹林の奥から歩いてきた。手には大きなタケノコが抱えられていた。
「タケノコ取りに行ってたんですか?」
「まあな、これが朝食なんだよ。」
有は内心、‘またか’と思ったがお世話になっている以上ワガママは言えないので心の内に秘めておく。
「さて、飯にしようか。食べ終わったら昨日言ってた医者のとこに案内してやる。」
「わかりました。」
2人は家の中に入っていった。
・・・・
「・・・紫様の言う通り外来人が来ている様子だなぁー・・・。悪い気は今のとこ感じないか。」
その様子を2人に気付かれないように見ていた九尾の少女はそれだけ呟くとその場所から消えてしまった。
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