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…全く世間では休日だと言うのに、なんて目覚めの悪い朝なんだ…。
カーテンから差し込む光と、窓の向こうに広がる雲一つ無い快晴な空を見つめては、…酒を煽って昼近くまでぶっ倒れてた自分が心なしか情けなく思う。
俺の名前は須藤賢夜。
とりあえず、自宅警備員やってる21歳です。
普通なら…こんな歳にもなって就職しないで何やってんだ…って思うでしょ?
普通ならばそうなんだけどね…
さっきテレビでも言ってたけど、今の日本の国政が崖っぷちでね。
…実際に現在就職してる人間ってのが50人に1人っていう当時じゃ予想だにしなかった状況になってるわけで…。
はぁ…まったく…嫌になるよな…。
…と…まぁ、若干話はズレたが 今 俺は実家の自室で悠々とぶっ倒れているわけだ。
…あ、因みに「賢にぃ!!」
俺は声のする方へ目をやると、足下付近の扉が開かれると同時に、黒の洒落たワンピースを着た女の子が立っていた。
……
マイシスターこと、"須藤優華"である。
「10時には下に来てって言ってるでしょ?」
両手を腰に、そして可愛いらしいツインテールを揺らしながら、テンプレートな立ち振る舞いをする優華。
俺は優華の目を見てから、ちらっと時計へ目をやると、そこには"12時34分"と表示がされていた。
……はい、すいまてん。
「…あぁ、ごめんな…今起きたところで…」
「言い訳は嫌いだよ。」
…いやいや、言い訳じゃないし、使い方間違えてるし…。今の俺の格好を見てくればわかるんでしょ…。
…とは思ったが、腐れツインテールことプリティマイシスターに そんなことを言えば、飯は疎か家から追い出される可能性がある。
ほぼニートである俺とは違い、有名進学校の中でも学年トップクラスに入る優華が 実質 我が家のカースト制度のトップに君臨している現状だ。
立場がなさすぎて泣けてくる…。
「…はい、今行きます…。」
「…ハァ…5分以内だからね。」
優華はため息混じりに言うと、階段を降りていった。
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