77人が本棚に入れています
本棚に追加
どうやら、世間は大変なモノを優華から盗んだようだ。
…優しさという名の愛と可愛らしさという名の武器を。
会話はなく。
テレビから聞こえる声と、カチャカチャと食器の音が響くリビングで 三人揃って飯を食う。
妹かつ年下の女子校生二人と野郎が並んで飯を食べるなんて…、
俺はどこでフラグを間違えた。
少なくともクーデレは好きじゃな(ry
「あ…そういえば」
俺がどのように別ルートフラグに変更出来るかを考えていると、優華が口を開いた。
「どうした?」
俺は思わず手を止め返事をすると、それにつられるように亜希も手を止めた。
「今日の夕ご飯だけど、、私 帰りが遅くなるから先に食べてて。」
優華はそういうと、"ご馳走様"と言い 食器を台所に置いて小走りでリビングを後にした。
バタンと扉が閉まるのを見届け、視線を食事へと戻すと
ニヤニヤと口角が気持ち悪い程上がった亜希と目があった。
…すると亜希は身を乗り出して俺の耳元でヒソヒソ声で。
「…賢にぃ、男だよ絶対。
あんな焦ってる"優華ねぇ"を見るの、この間の"彼氏ですか事件"以来だよ。」
亜希は楽しそうに笑う。
「まぁ…なぁ…」
…そりゃ、女子校生なんだし 彼氏の一人や二人いても可笑しくはないわな…。
しかも、兄の俺から見ても優華は可愛い部類だと思うし。性格に難があるが。
いや~…しかし、あのツンツンな優華が男とねぇ…。
シンデレラならぬツンデレラだな。
最初のコメントを投稿しよう!