序章 -生活-

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どうやら、世間は大変なモノを優華から盗んだようだ。 …優しさという名の愛と可愛らしさという名の武器を。 会話はなく。 テレビから聞こえる声と、カチャカチャと食器の音が響くリビングで 三人揃って飯を食う。 妹かつ年下の女子校生二人と野郎が並んで飯を食べるなんて…、 俺はどこでフラグを間違えた。 少なくともクーデレは好きじゃな(ry 「あ…そういえば」 俺がどのように別ルートフラグに変更出来るかを考えていると、優華が口を開いた。 「どうした?」 俺は思わず手を止め返事をすると、それにつられるように亜希も手を止めた。 「今日の夕ご飯だけど、、私 帰りが遅くなるから先に食べてて。」 優華はそういうと、"ご馳走様"と言い 食器を台所に置いて小走りでリビングを後にした。 バタンと扉が閉まるのを見届け、視線を食事へと戻すと ニヤニヤと口角が気持ち悪い程上がった亜希と目があった。 …すると亜希は身を乗り出して俺の耳元でヒソヒソ声で。 「…賢にぃ、男だよ絶対。 あんな焦ってる"優華ねぇ"を見るの、この間の"彼氏ですか事件"以来だよ。」 亜希は楽しそうに笑う。 「まぁ…なぁ…」 …そりゃ、女子校生なんだし 彼氏の一人や二人いても可笑しくはないわな…。 しかも、兄の俺から見ても優華は可愛い部類だと思うし。性格に難があるが。 いや~…しかし、あのツンツンな優華が男とねぇ…。 シンデレラならぬツンデレラだな。
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