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「さてとぉ…じゃぁ、学校行ってこようかな」
亜希はそう言うと、食べ終わった食器を流し台に置いた。
「…ん?休日なのに学校あんのか?」
いつの間にか片手に鞄、もう片手には携帯を持つ亜希に尋ねた。
「今日は部活があるんだ。ほら、前に賢にぃにも話したじゃん。」
あ…そういや、亜希は手話部に入っていたっけか。
文化祭に向けての特訓があるかなんかで休日も集まって練習してる…とか言ってたような…
「…だから、6時頃には帰ると思うー。
…今日みたいに暑い日には冷やし中華が食べたくなるよね!」
……そうか、、ニートは黙ってご飯の用意でもしとけってことね
…はぁ……後でハムとキュウリ買ってくるか……
目の前のスクランブルなエッグを口に放りこみ、俺の返事を待っているのか、立ったままこちらを見つめる亜希の姿を視界の端に捉える。
「…はいよ。」
「やった!。楽しみにしてるねぇ~」
俺の小声での応答に満足したのか、冷やし中華ぁ~っと鼻歌混じりでリビングを後にする亜希。
…うわぁ、面倒臭ぇ…。
目の前に置かれた食器達を洗いながら、出したくない溜め息が出る。
…さて、これ(洗い物)が終わったら 俺も出かけるか。
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