第1章

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「おはようございます!」  朝。どこかで鳥達が囀っているのが聞こえる。まだ春の序盤で桜が満開のこの季節。大学へと続く道に挨拶の声が響く。 「おはようございます!」  軽やかにリズムをとりながら少しずつ散っていく桜の花びらの中を駆ける。 「おはようございます!」  まだ新学期だからか生徒を見守りに通学路に来ている大学教授達に挨拶を振り撒きながら。 「おはようございます!」  俺、功刀俊太郎(くぬぎ しゅんたろう)は新しい生活への希望と期待を胸に、少しの不安を蹴散らしつつこの体育大学の門をくぐった。
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