片思い

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「大林先生、偶然ですね。何してたんですか?」 子供が寝てからたまに、某全国チェーンの本屋へ行くアタシ。 先生は、黒いシャツにジーンズ姿で文房具を見ていた。 先生を見つけたとたんに、胸が高鳴り、お洒落してこれば良かったと後悔したが、それよりも先生と会話したくて近づく事にした。 「せーんせっ。」 「あっ、懍さんのお母さん、こんばんは。」 その声。1/fの揺らぎを持っているかのように、心地がいい。 飼い犬のように、しっぽを振って、キャンキャン甘えたい衝動にかられてしまうのを抑えるのに必死な私。 「何見ているんですか?」 と興味ありげに聞いてみる。 「あっ、これですか?」 と言ってボールペンを見せてくれた。 シンプルなデザインを選んでいる所がまた、先生らしい。 御揃いで買うしかない! そう思って、ふたりで色々試し書きしていた。
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