厭きれ

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『おい、俺に言ったのか?』 威嚇的な太い声が眼鏡の男に向けられるが、眼鏡の男は頭の中で、 (さすが脱落者収容施設だ。「任務」に支障が出るかもしれないな...) と思っただけで、男の話を無視して足元の剥がれた床から見えるコンクリートを見詰めながら思いに耽っている... 「ある事情」によりこの施設の外観こそ見えなかったが、中に入ると驚きの連発だった... 驚くほど広大な空間に幾つもの工場があり、【患者】は少なくとも各工場に500人規模で「労働」している。 他にも戦場から退いた兵隊の行く先の「兵役更生施設」もあるが、≪3度の機会≫を許しても、4度目、つまり最終的には更生しても命令に従えなかった者や戦場では役に立たない人達を集めた... 言わば「現在の国家状況に置いて無価値とされた連中」を何かの目的で集めたのがこの場所... 当然の如く居る【監理官】と偽る「日本兵」は300人程度で、医療班も居る意味も解るが、 色々な意味で驚いたのは「米中露」の兵士も平等に100人の兵士を抜かり無く揃え、「何」をしているのか白衣を着た【研究員】までうろついている。 「ある意味」で素晴らしい事に、此処はもはや【国境】など無いに等しい...
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