厭きれ

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思い耽るのに夢中になり、 対面に居た男が直ぐ目の前にまで来ている事に気付かずに下を向いたまま「無表情」で溜め息をつく。 気迫を放つ男の鼻が「ピクリ」と動き、少し止まるが、 もはや「案の定」とも言えるタイミングで再び罵声を浴びせられ、 最初は失笑も出来たが、もはや「五月蝿い」としか思えなくなる程になってきた、 「俺は戦争で活躍して...」どうのこうのとか 「戦争に行った俺に敬意を払え!」だとかなんとか... もはやこの上ない自己満足話(独り言)を喚き散らしているもんだから、思わず謝りそうになっていたが、 また面倒臭そうな顔をしているのを見たのか、 『おい!聞いているのかこの野郎?!』 と「鼻が接触する程」にその薄汚い顔を近付けて来たものだから、仕方無く肯定的な返事だけはしておいた。 『すいません…聞かせてください。』 この簡単な一言で「その場の怒り」を抑えたのは良かったのだが、 一方で呼吸を整えている最中の男の自慢話が「加速」したのは言うまでも無い...
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