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   人が行き交う駅前の道、私は空を見上げる。  先程まで夕日に照らされていた空は一面雨雲に覆われ、たまに雷光がピカッと辺りを包む。  遅れてゴロゴロと鳴り響く低い音。  湿った空気が一気に流れてきた。  バシャバシャバシャ…  大粒の水滴が空から落ちてきたかと思うと、あっと言う間に目の前の景色は激しい雨模様に変わる。  降りかかる雨、私は何歩か後退り駅の構内へと押し戻された。  大きな柱にもたれ、無気力に外を見つめる。 「最悪…」  思わず言葉が漏れる。  私はまたバッグの中をガサゴソとしてみる。  今朝、おもむろに放り込んできたポストの中の郵便物。  通販の請求書。  折り込みチラシ。  大したものが入ってない。  一枚の葉書、裏を返すと先月寿退社した同期の子の「結婚しまた」の文字と、南国っぽい所で旦那様と思われる人と腕を組み満面の笑顔を浮かべるウエディングドレス姿の彼女の写真。 「結婚しましたなんて葉書送ってこなくても、会社の同期一同で結婚祝い渡してるんだから分かってるって…」  小声で毒を吐く。  それらの物をまたバッグに突っ込む様に戻す。  外の雨空の如く、私の心もどんよりと暗くなった。  私は、いつから他人の幸せを素直に喜べなくなったんだろう?  3年前まで付き合ってた彼氏と別れてからだろうか。  専門学校を卒業した頃からだろうか。  色々と思い出して自問自答してみる。  
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