惨話

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かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀と滑った 後ろの正面だあれ? 夕方、地元に戻った僕は神社の境内で遊ぶ子供達の唄を聴いた 童唄の“かごめかごめ” 僕も昔やった遊び 一人の子を囲んでグルグルと周り遊ぶ懐かしい遊び ぼうっと眺めていると男の子が 「ねぇ、お兄ちゃん。お兄ちゃんもやる?“かごめかごめ”お兄ちゃんの為の遊び・・・」 不気味な子供だった 表情がわかりにくく肌が色青白い幼子 僕は断って境内を後にし実家に帰宅した 都会に上京していた僕が地元に戻った 逃げたのだあの出来事から 次の日 また近所の神社の境内から唄声が響いた かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀と滑った 後ろの正面だあれ? 後ろの正面×××・・・ 歌詞が付け加えられていたようだが風の音でうまく聞こえなかった それから数日 かごめかごめは僕の頭から離れなくなっていた 子供達が唄っていたのが忘れられない 嫌に頭につくのだ 僕の心がざわつく 神社の境内にはいつも賑やかな子供達の姿はなく
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