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-side ブラッド-
「さて、ランサーは行ったな。」
俺はそう小さく呟くと刺された胸を抑え、蹲って居るセイバーに歩み寄った。
そしてセイバーの手を押し退け、傷口の分析を始めた。
「貴方は…一体何を…「黙らんと出血多量でお陀仏だぞ~」…クッ!!」
セイバーが暴れようとするが、忠告をして黙らせる。
(う~む…急所は外してるが、出血が酷い…こりゃ大技だな…)
「はぁ…セイバーの嬢ちゃん、少し動くなよ?」
そうセイバーに言って、俺は両目を閉じ、傷口に手を翳しながら
「母なる光よ、ここに集いて癒したまえ。『キュア』!!」
そう唱える。
するとセイバーの身体が薄緑の光に包まれ、次の瞬間、セイバーの全ての傷を癒した。
「…!?
ブラッド!!今のは一体…!?」
セイバーは傷があった場所を確認した後、俺に噛み付かんばかりの剣幕で捲し立てて来た。
(はぁ…やっぱこうなるよな…)
俺が内心諦めながら、説明をしようと口を開こうとした瞬間…
「…!?」
ドッ!!…
セイバーは何かを感じ取ったのか、塀を飛び越えながら外へと飛び出して行った…
人の話を聞けよぉぉぉぉぉ!!
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