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少年は宇宙の様に広い世界樹の中を漂って居た…
(何も感じねぇ…俺はこのまま世界樹の中で、次の世界の危機を待つのか…)
などと、自嘲気味の笑みを浮かべながら…
だが突然、優しい光に満ちた空間がドス黒い闇で侵食され始めた。
(なっ!?世界樹が…汚染されている…!?)
少年は驚き、闇が流れて来る方角を向いた。
その瞬間…
『救ッテ…2ツノ世界ヲ…聖杯ヲ…穢レタ…聖杯ヲ壊シテ…』
少年の頭に女性らしき声が響いた。
「ッ!?聖杯…だと?ソイツがこの闇が世界樹を侵食している原因なのか!?」
少年は咄嗟に叫んだ
『ソウ…穢レタ聖杯ヲ破壊スレバ…止マル…』
「分かった!!俺がやる。聖杯ってやつは何処にあるんだ?」
『ディセンダー…アナタノ世界ト別ノ世界…私ガ送ッテアゲル…ダケド、二度ト戻レナイ…ソレデモ良イノ…?』
その答えに少年は一瞬言葉に詰まったが…次の瞬間、不敵な笑みを浮かべながら…
「未練が無いワケは無いが…俺しか出来ない仕事だ。やってやろうじゃねぇか!!」
そう自信に満ちた声でそう言った。
『アリガトウ…ディセンダー…向コウノ知識ハ教オクヨ…』
その声と同時に、少年の周りに幾つもの輪が現れ、少年の頭の中にたくさんの情報が流れ込んで来た。
「グッ…」
激しい頭痛が襲って来たものの、少年は歯を食い縛って耐え抜いた。
『ジャア…向コウニ送ルヨ…頼ンダヨ…光輝ク者、ディセンダー…』
その言葉を聞くと同時に、少年は強い光に包まれ、収まった時には誰も居なくなって居た…
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