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教会の庭側の茂みから姿を現したのは黒いボディスーツの上に赤い布を纏い、色黒の肌に白髪が印象的な青年だった
「お前は…
誰だっけ…?」
ズシャァァァ!!
俺のマジボケに青年と一緒にセイバーもズッコケた。
「んんっ!!
…君達とは先程まで共に行動をしていたのだが…
君の頭は、つい先程会った人の顔も覚えられない程の欠落した頭脳しか持っていないのかね?」
青年は大きく咳払いをした後、眉間を引き吊らせながら俺をジロリと睨み、俺を嘲る様に皮肉って来た。
ブァッ…
スッ
「ブラッド!?」
隣のセイバーがいきり立って不可視の剣を構えようとしたが、俺が手で制した。
そして俺は
「おや?おかしいですねぇ…」
と大げさに両手を組み右腕を上げて、右人差し指でこめかみをトントンと叩いた直後…
『キラリ♪』と怪しい擬音が聞こえそうなイイ顔で、青年を見据え…
「いや~…顔は存じて居るのですが…自己紹介をして頂いた記憶がどうしても思い出せません…」
と十倍返しの皮肉を返してやり…
「いや~…年は取りたく無いモノですねぇ…失礼ですが、もう一度自己紹介をして頂けませんか?」
「ぐっ!?
…どうやら君の方が一枚上手だったようだ。
見事に一本取られてしまったよ…」
片手を額に当て、やれやれと大袈裟に首を横に振り…止めの一言を言うと、青年は痛い所を突かれたと言わんばかりに押し黙り
やがて両手を上げ、降参のジェスチャーをしながら大きく首を振り、苦い顔をした。
実は、衛宮邸で凛の説明を受けた際、彼女は自分のサーヴァントの説明をせずに士郎を連れ出した為、姿は知っててもクラスは知らされて無いのだ。
俺は咄嗟にそれを思い出し、某鬼畜メガネ風に皮肉ったのだ…
(その程度の嫌味、ヤツの皮肉に比べれば…優しいモノだ!!)
「…で?アーチャー…なぜ凛が魔術士に向いてない事に異議を唱えたんだ?」
俺は内心ほくそ笑みながら、軽くお互いの自己紹介を済ませた後、青年…アーチャーの先程の横槍について質問をした
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