第二章 【教会は今日も混沌のちフラグ】

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「根拠か…私は凛のサーヴァントとして召喚されてから幾度か彼女の魔術を見たが、アレはとても優秀な魔術士である事はサーヴァントである私が良く分かっている。 むしろ彼女は天才の部類に入るだろう… しかし、彼女はまだ甘い…だからこそ私は彼女をマスターとしたのだ。」 『彼女は魔術士として、天性の才能がある』 アーチャーはそう主張するが… 「才能と性格は別物だろ?」 「ええ、ブラッドの言う通りですね。甘さはこの殺し合いの戦場では命取りです。」 俺のツッコミにセイバーが正論を被せて来た。 「フッ…その為の我々だ。 無論、負けるつもりも無い。」 「ほぉ…言うねぇ… で?気付いてるか?」 「「???」」 結構な自信を見せてくれるアーチャーに、とりあえず聞いておく…案の定セイバーも一緒になって首を傾げて来た。 (コイツ等本当に英雄なのかよ…) 「この教会に来る途中から付けられてるぜ、俺達。」 「それは本当ですか!?」 「私は何も感じなかったが…単なる勘違いじゃないか?」 俺が肩を落としながら話すと、セイバーは驚きながら周囲を警戒し、アーチャーは眉を潜めながら周囲の気配を探った後に、俺に疑惑の目を向けた 「ヘッ!! 途中で感付かなかったテメェの落ち度を正当化しようとすんじゃ無ぇよ。 さっき気配が消えた。恐らく気配を消して監視してるか、どっかで待ち伏せてるな。」 「フム、恐らく監視を取ったのだろう。 此方にはサーヴァントが3人も居るのだ。妥当な判断だろう」 「しかし向こうに手の内を知られると厄介です。 今のうちに潰すのが得策でしょう。」 「待てセイバー。」 息巻いて飛び出そうとするセイバーを俺が宥めながら 「しばらく泳がせておくぞ。 逆に相手のマスターを突き止めるチャンスだ」 「ブラッド!?それでは貴方は相手マスターに自ら手の内を明かすと!?」 「いや、私は賛成だ。 ここで息巻いて襲った所で、確実に仕留められるとは限らんからな。」 「そういうこった。 むしろ向こうの尾行に気付かなかったお前達が行っても、逆に奇襲されるのが関の山だしな」 「…中々の毒舌家だな、君は。」 「お褒めに預かり光栄至極ってな。」 「…ブラッドと話すと調子が狂います…」 提案次いでに皮肉ると、アーチャーは頭を右手で押さえながらの苦笑と、落ち込む女騎士サマの姿が帰って来たのだった
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