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誠
「「ハローハロー
聞こえてますか?
届いてますか?」」
心
「セイ、それ止(ヤ)めて頭に響く」
誠
「「皆に届けばいい
皆に響けばいい」」
心
「迷惑だよ」
誠
「「仕方ないんだ
僕はこれしか人とコンタクトをとる手段が無いんだから」」
心
「知らないよ僕には関係ない」
誠
「「ココロは良いよね
ズルいよ
羨ましい」」
心
「知らないってば」
誠
「「ねぇ
魔法ってさ
何のために存在していると思う?」」
心
「そもそも魔法なんてこの世の中に存在しないんだ」
誠
「「じゃあ、僕のこの声はどう説明するんだい?
音の無い、信号
君だけにしか伝わらない言葉」」
心
「そもそもこれは僕の勘違いだったんだ」
誠
「「ヒドいよ」」
心
「ヒドくない」
誠
「「ココロはいつだって意地悪なんだ」」
心
「頭がイタい
また先生に薬を貰わないと」
誠
「「会話の最後には決まって僕の存在をなかった事にしようとする」」
心
「仕方ないだろ?
聞こえる筈が無いんだ」
誠
「「そうかもしれないけど」」
心
「だって」
誠
「「うん
僕の脳は死んでしまっているんだから」」
心
「だからセイの声が聞こえるはずなんて無いんだ
セイは、ただの人形なんだから…」
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