露呈

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 ビデオはあいつがのたれ死ぬ所でエンディングを迎えた。 私はその後、警察に2回ほど呼ばれたが、知らぬ存ぜぬを繰り返し事無きを得ている。 警察でもワイドショーでも連日の様に犯人捜しを訴えているが捜査に進展はないようだ。 そんな折、王ちゃんからメールがあった。 ちょっと事務所に来れない? 私は 明日なら行けるよ っと返信した。 じゃあ車ではなく電車で来てね。お客さんの車が置きっぱなしだから駐車場に停められないんだ。 了解です。電車で行くね。久々の電車だから切符買えるか心配だな。 そう返信した。 次の日、王ちゃんは事務所にいた。 私は事務所の中に通され先日座った椅子に座る。 「暑いのに呼び出してごめんな。」 「ううん、大丈夫。それより急にどうしたの?」 「実はさ君がある物を見てしまったっと疑っているんだ。」 「ある物?」 「うん。自分の口から言ってくれないかな・・・。」 「・・・・・。」 「言えよ!」 いつになく語気の荒い口調だ。 私は王ちゃんの怖さを今もってハッキリと感じた。 もしかして・・・殺される・・・。 わざと開き直ったかのように 「何を見たというのよ。証拠もあるわけではないし・・・。」 「そうか・・・では・・・」 何を知っているというの? 私は見た証拠も残していないはず・・・。 王ちゃんの落ち着き払った言葉が重く感じ、圧力をかけてくる。 「君はあの日、俺が電話に出て外にいる間にあの右奥の部屋に興味を持ち入ってしまったよね。」 何で?なんで分かってるの?私は自問自答と次の言葉を押し黙りながら待った。 「その時にあの暗い部屋を見たいが為に君は電気のスイッチを触ったね。」 私は 「そんなことしてないよ。」 そうつっけんどんに言い放った。 「そうかい・・・。では何故君が帰った後にあの部屋の電気は煌々と点いていたのかな?」
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