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先程の天気から一転、外には大雨が降り続いていた。傘を持っていない俺は家に帰ることが出来ず、『ライヴァール』の中をウロウロしていた。
『雨、止みませんねぇ……』
「そうだな………」
外から見える雨に濡れたに大地に、俺と『神の腕』は溜息を吐く。別に、雨が嫌いなわけではない。
雨の日の『神の腕』が苦手なのだ。『神の腕』は今『聖書』に意識を移している。
そのため、湿気を受けるとテンションが恐ろしい程下がり、溜息を吐き続けるのだ。正直、凄くうざったい。
『はぁ~……湿気が『聖書』に……』
ブツブツと愚痴を呟く『神の腕』。流石の俺でも、こればっかりはどうしようもない。
俺は溜息を吐き、隣にあった本棚から適当な本を一冊取り出した。題名は『少年と本の悪魔』。
若年層向けのライトノベルの様で、内容は一人の青年がひょんな事から悪魔と契約して悪魔使いとなり、願いを叶える為に他の悪魔使いと戦っていく、というストーリーだった。バトルがメインの話の様だが、恋愛やギャグの要素も盛り込まれた中々の良作だった。
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