一頁目 力と叡智

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超大国ライブラ。それがこの国の名前だ。 千年前、人類は『ゴエティア』によって出現した『上級悪魔』によって、壊滅寸前まで追いやられた。しかし、生き残った人類は『聖書』の力を使い、何とか『ゴエティア』を封印し、『悪魔』を人間界から追い出すことに成功した。 そうして生き残った人類は、封印した『ゴエティア』を更に地下深くに封印し、その上に国を作り出した。それがここ、ライブラだ。 ライブラは『本』によって繁栄してきたと言っても過言ではない。そのせいか、この国は世界中のありとあらゆる本を集め、保管している。 その中には、『ゴエティア』や『聖書』の様に、特殊な力を持つ本が幾つかあったらしい。それが原因で、この千年間、世界には色々な事件があった。 『読んではいけない本』という都市伝説は、それを知る人間から伝承されていったのだ。 「まぁ、どうでもいいんだけどな」 俺は小さく欠伸をする。ここは『本の国』ライブラのシンボルであり、国の中心にある全長三百m直径二kmの超巨大図書館『ライヴァール』。 その屋上に、俺は佇んでいた。理由は簡単。高い所から『ゴエティア』を探す為だ。 『ゴエティア』は常に目に見えない波動を放っている。それは、波動を感じた人間を呼び寄せ、『悪魔』を召喚させる為だ。 そして、『聖書』を持つ者はその波動を微弱ながら察知することが出来る……らしい。
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