一頁目 力と叡智

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瞬間、『聖書』が淡い輝きを放ち、光球に変化する。そして、光球は二つに別れ、俺の両腕を包み込む。 光はより輝きを増し、辺りを照らし出す。キマイラは光を警戒しているのか、少しずつ後退していく。 時間にして数秒。光は消え、俺の腕には光輝く『物』、『神の腕の籠手』が存在していた。 銀主体のボディに、所々に赤の線が入った籠手が。 「さぁ行くぜ『神の腕』!パーティーの始まりだ!!」 俺はそう言ってキマイラの元に走る。キマイラは一瞬狼狽えていたが、直ぐに体勢を立て直し、俺の周りを囲んでいく。 『グォオオオオオオオ!!!』 キマイラの遠吠えが響く。しかし、そんなのは関係無い。 俺は二匹のキマイラの頭を掴み、衝突させた。キマイラの頭はあまりの衝撃にグチャグチャ潰れ、漆黒の血が噴水の様に吹き出し、辺り一面を血で埋めつくした。 頭を失った身体は血の池に沈み、周りのキマイラを更に警戒させていく。俺は顔に付いた血を拭い、口角を上げ、狂笑する。 酷く気持ちが昂るのを感じる。血を見るのが楽しい。 楽しい。 楽しい! 楽しい!! 楽しい!!! 「ハハハハハハハ!!」 俺は笑う。笑いながら一匹のキマイラの背後に回り、頭を握り潰した。 『残り…四匹ですか…』 『神の腕』が、小さくそう呟いた気がした。
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