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「みんなかなり強力な魔法器のようだな」
「かなりじゃなくてめちゃくちゃだからな!」
「さて、次は私の番だな」
「え?無視、無視なの!?」
無視か……結構精神的にくるな。いや、マジで。
グレイはいつもこんな感じなのか…ほんのちょっぴり、アリぐらいは同情するな。
「おい、フロウ。なんか失礼なこと考えだろ!!」
「あるじを侮辱するものはあるじであろうとわたしであろうと許しません!!」
「あれ、ラナは俺の味方なの?それとも敵?」
この頃グレイが一人じゃなくなったから、俺が楽だな。
グレイの使い魔だが、太陽の属性神で、ラナ=ブレイズゴッドというらしい。
名前に神がある時点でただ者じゃないと思う。
ラナさん(呼び捨てにしようとしたら、「あるじ以外に呼び捨てにされたら、誰かを殺してしまいます」と言われたために”さん”付け)は、赤とオレンジの中間の色のような髪で、肩まで届くぐらいの長さだ。
髪と同様の目で、いつも何を考えているかよくわからない。
とっても綺麗です、はい。
一つだけ完全にわかることと言ったら、グレイのことを慕っているということだ。
所謂無表情美人(激強)だ。
「私のはこれだぞ!!って誰も聞いてない!?」
「悪い」
反射的にサンファの方に視線を向ける。
グレイとラナさんはなんか言い合ってるし、リア先輩は何か考え事をしているみたいだし。
「それで、サンファの魔法器はどんな能力があるんだ?」
サンファの持つ銀色の光を放つ短剣に目を向けつつ尋ねる。
「まず、この短剣の名はツイン・ウィンディアだ」
「色々とツッコミを入れたいが、一つだけにしとく。ふぅ……どうして一つしかないのにツインなんだよ!!!」
言い切ってやったぜ。
一つの名前にツッコミどころが二つもあるんだからな。びっくりだ。
「ふふふ、今からキミにこの短剣の名の由来を教えてあげるとしよう。”惑え、ウィンディア”!!」
え、なにその斬◯刀みたいなの。
って言ってるそばから、短剣が二つに分裂し、サンファの左手に収まった。
「これがツインの由来だ」
「そんなドヤ顔で言われても困る。てか、なんで分裂したんだよ!?」
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