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「でも、先輩。先輩が可愛いからいけないんですよ」
自分で何言ってるかわかんなくなってきたな。
理由になんてこれっぽっちもなってないし。いや、可愛いのは間違いじゃないが。
「そ、そんなこと言ったってだめなんだからー!」
「でもですね、やっぱり仕方ないの「ぺちっ!」……はい」
ついには頭を叩かれてしまった。言い訳はよくないな。うん。
心の中だけに留めておくことにしよう。
「先輩、よく考えてみたら近いです。かなり近い。もう近距離ですよ」
いつの間にか、互いの息がかかるほどの距離にいた。
先輩の何かの花のような香りと、先輩の綺麗な瞳が俺を刺激する。
「ち、近い……」
顔を真っ赤にして、驚きや恥じらいなどの様々な感情が入り混じった目で俺を見つめる。
そんな先輩に俺は
「すすすすみません!!」
ばっと後ろに下がって、先輩から離れる。
へたれですね、すみません。度胸なんてもんは持ち合わせてないんです。
「い、いいよ。私は気にしてないから」
はぁ、ドキドキした。
近くから見て、よりわかったんだが、やっぱり先輩ってめちゃくちゃ綺麗だな。
「えーと、先輩、携帯持ってますか?(先輩はよくここにくるんですか?)」
「あ、うん。持ってるよ」
なん……だと……
俺は一体いきなり何言ってんだよ!
俺ってばぁ、だ・い・た・ん♪
気持ち悪いですね、わかります。
「連絡先を教えてくれましぇ……くりゃ……お願いしましゅ……お願いです!!!」
なんとか言い切ることに成功したぜ!何回も躓いちまったが成功だ!
俺ってばぁ、だ・い(ry
「いいよ」
先輩がそう言ったので、自分の携帯を取り出して先輩と赤外線通信をした。
それを終えて、適当に談笑し、そろそろ帰り時だ。
多分だが、六時ぐらいだろう。
「先輩、もう暗くなりましたし帰りましょう。送って行きます」
「こーり君、別に大「女の子が一人でなんてだめです!送って行きます!」……うん。ありがとう」
ぽわぽわした空気を醸し出しつつ、学校から出て先輩と一緒に歩く。
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