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「さっき、子猫の声がしたと思ったの に……」
まゆちゃんは首を傾げました。
「不思議だね。いくら探してもどこにも子猫はいないね」
のんちゃんも首を傾げました。
その時、また子猫の鳴き声がしました。
ええっ、うそっ~!
のんちゃんとまゆちゃんは、目を大きく見開き口をポカンとあけて驚きながら、子猫の鳴き声がした方を見つめました。
すると、
「のんちゃん、まゆちゃん、ありがとう」
と言う声が聞こえてきました。
のんちゃんとまゆちゃんはキョロキョロ周りを見渡しましたが、やはり誰もいません。
「ひょっとして、子猫ちゃん?」
まゆちゃんが言いました。
まさか~とのんちゃんは思いましたが、でもこの不思議な現象を考えると、そうかもしれないと思いました。
『そうです、ぼくは生まれてすぐに死んでしまった子猫です。のんちゃんとまゆちゃんは、ぼくを不幸だと思っているようだけど、ぼくは幸せでしたよ』
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