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話は2日前にさかのぼる。
あたし、川島陽菜(カワシマハルナ)は家から一番近いコンビニで、土日だけバイトをしている。
2日前の土曜日も、やっぱりバイトに出ていて、雑誌の入れ替えをしているところだった。
「川島ちゃーん、久しぶり!」
うわ、またこの人。
「クロサキさん、先週も会ったじゃないですか。」
「先週でしょ~?川島ちゃんに会えない1週間って長いんだよ」
彼はこのコンビニのすぐ近くにあるK大学の学生で、毎週のように顔を合わせている。
私がバイトを始めたのが半年前で、その時すでに彼はこのコンビニを利用していたから、かれこれもう半年。
「川島ちゃんって高校生だったよね?」
休日の午後だけど、客はクロサキさんしかいなかった。
「そうですけど…。」
「川島ちゃんの高校、バイト許可降りてんの?」
「いや、ホントはダメですよ?でもバレないし。」
「ははっ、だよね。俺も高校の時そうだったし。」
クロサキさんと顔を合わせるようになってからは、半年だけど、
こうして話すようになったのは、ほんの2ヶ月前くらいだった。
クロサキさんは、いわゆる『イケメン』で、実際顔だけ見たらかなりのタイプなんだけど…、
初めて話した時からの、ちょっとチャラチャラしてる感じが慣れなくて、未だに下の名前や、高校は教えていなかった。
「じゃあ、俺、明後日から忙しくなるからさ。その準備あるんでもう行くよ。」
「え、ちょっと、せめて何か買ってって下さいよ。」
私が笑いながら言うと、そうだそうだ、なんて笑いながらジュースとパンを買って帰っていった。
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