1曲~初心の集い~

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せりう『音、聴いてみます?』 椿『え?いいんですか?』 せりうさんはニコッと笑顔を作り、ベースを手に取り、演奏を始めた。 間近でベースの音を聴くのは初めて‥ この黒い箱から音が出てるのかな? なんか、カッコイイ‥ 少しの間、せりうさんの演奏を聴いて、音の違いがわかった気がする。 せりう『どうかな?どっちの音が好き?』 椿『えっと、今弾いてるベースの方が、好きですね』 そのベースは1万円程のお手頃な値段。 椿『コレ、買います!』 せりう『ん、わかりました。初めてのようだから、ストラップと替え用の弦も付けておきますね』 椿『いいんですか?ありがとうございます!』 せりうさんはいい人だ。ここでベース選んで良かったと、凄く思う。 ベースのケースも買わなきゃ、と思ったけど、どうやら処分する予定のものをくれるみたい。 感謝しかできないなぁ。 ベースを買う時、名刺をもらった。 『芹生 春斗(せりう はると)』と書かれている。 春斗『ベースで分からない事があったり、何か聞きたい事があればいつでも来て下さい』 椿『はい!色々ありがとうございます!』 私はお店を後にした。 なんだろう、凄くドキドキする。 ベースを買った事で胸が高鳴ってるのかな‥ それとも‥
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