いち🎤

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コンコンと真新しい靴の音が響く渡り廊下。 そこには二つの影が歩いていた。 「ねぇハル、片岡くんと進展あった?」 瞳をキラキラさせて香奈は言った。 あーぁ、言わなくても分かってるくせに聞くとこが香奈らしいけど。 「進展する訳ないじゃんか、まともに話したこともないのに……」 なんて自分で言ってて辛いなぁと思っちゃってる。私、立花ハル。 私と親友の香奈は今年中学に入学したばかり。 約二週間間が経って、クラスも出来上がりつつあった。 片岡くんとは、ハル達と同じ一年三組の生徒で、本名は片岡陽斗。 太陽みたいに明るい笑顔で笑った片岡くんを見て、ハルは胸が高鳴った。 この感情が恋だとわかるまで、時間はあまりかからなかった。 あの笑顔で笑いかけられたら……なんてねっ。 「ちょっ!ハル、顔にやけてるよ!?」 マジっ!?っと言ってハルは鏡を見た。 もう、にやけてはいないが顔が真っ赤だ。 「なぁーにしてんだ?こんなとこで」 あっ……この声は。
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