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「はぁ…」
いつもと変わらない日常。
火曜日の5限目。
数学の先生が、黙々と意味の分からない公式を黒板に書いている。
私は黒板を見ず、校舎の外を見ていた。
いるかな…
今日も。
帰り道。
最近気付いた彼の存在。
同じ時間、同じ場所にいる彼。
私は彼を見るたびに、彼のことが好きになっていた。
でも初めて彼を見た時、彼の第一印象はあまり良くなかった。
いつも同じ時間にいて、いつも同じ場所にいて…
いつもスウェットにパーカーで…
いつも空を見上げていて…
私は彼を変人だと思った。
彼の推定年齢、たぶん私より年下だろう。
彼はいつも同じ時間、同じ場所にいることができる。
それって、時間を持て余している中学生くらいの子じゃないとできないことじゃないか!と言う、安易な考え方だ。
それに顔もかなり幼い。
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