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そんな年下を好きになってしまったのは、事実だ。
切なそうな顔。
悲しそうな顔。
忘れられなくて、守ってあげたくなった。
母性本能なんだろうか。
「はぁ…」
「いつまでため息を吐いてるの?
授業、終わったよ」
友達の桜が、私の頬っぺを引っ張りながら言う。
「痛いよー」
「帰らないの?」
「帰るー」
鞄を肩にかけ、桜と教室を出る。
「あのね、私…」
桜が突然、小さな声で呟く。
「中学生と付き合ってるの」
「へっ?」
「中3の子、塾で知り合ったの」
頬を赤くして話す桜はすごく可愛い。
けど…
「別に否定するつもりはないんだけど、中学生は…ないわ」
なんて、自分を否定することを桜に言う。
たぶん、自分に言い聞かせたいんだと思う。
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