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それから、会長の後ろにいた美男美女達は口々に簡単な自己紹介をしていった。
「副会長! 郷野紅炎(ゴウノ コウエン)だ!」
さっき銃口をつきつけてきた郷野紅炎は、狼の被り物の下から真っ赤な短髪を現せた。
「……同じく、副会長。村崎月下(ムラサキ ゲッカ)」
本当に男かと尋ねたくなるほど可憐な、山羊を被っていた村崎月下。
「書記、鈴木セレスティーヌ(スズキ -)よ」
唯一の女子である豚を被っていた鈴木セレスティーヌは、名前からも容姿からもハーフっぽい。
「会計、成瀬千(ナルセ セン)」
必要最低限の事だけ言った、眼鏡が特徴的な、狐を被っていた成瀬千はすぐにそっぽを向いた。
「庶務、音無拓見(オトナシ タクミ)っす」
被り物の熊の毛と同じ髪色をした音無拓見の声は全然覇気が感じられない。
「以上。質問はないな?」
律儀に全員の自己紹介が終わるのを待っていた会長は、だるそうに絞める。
ない訳がないだろう。
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