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血が止まって赤黒い傷口が見えたかと思うと、それもみるみるうちに塞がっていった。
銃弾が撃ち込まれた傷は、ほんの数十秒で完治したのである。
撃たれた本人である月下も何事もなかったかのようにしれっとしている。
「これは……」
「分かったか? これが俺達生徒会に与えられた能力だ」
これはもう、信じざるを得なかった。私は深く頷く。
「でも、なんで、不老不死なんかに」
「自分の罪を裁かれないから」
「え?」
そういえば会長は最初の方にも同じような事言っていた気がする。『嫉妬を裁ける者がいない』とかなんとか。
「例えば、お前の罪は『嫉妬』だ。俺の罪は『傲慢』だから、いくら俺がお前を撃とうが刺そうが、お前は裁かれた事にならない。よって死なない」
「あの、すいません。話についていけないんですけど……。罪とか、裁くとか、どういう意味なんですか?」
さくさくと話を進めていく会長に急いで口を挟むと、それはそれは面倒臭そうな表情を見せた。
「なんだよ……そこからかよ」
「すいません……」
「もういい。一度に言っても混乱するだけだ。続きはまた明日。今日はもう休め」
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