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「か、帰れないって……それじゃ、家族は……?」
「二度と会えねーな。ついでに言えば、友達恋人も。生徒会には所属してもらうが、学校の授業および行事も一切出れねーから」
会長もだったが、紅炎も例外なくあまりに残酷な事を当たり前のように言ってくる。
「別れの挨拶もナシで?」
「当たり前だろ。てめーが生徒会入った時点でそんな奴らとは縁切った事になるんだからよお」
私はいつの間にか17年間共に生きてきた家族、数年間気持ちを共有しあってきた友達といつの間にか縁を切ってしまっていた。
苦労して受験した高校も、ほとんど退学に近い状態にさせられるのだ。
――この場から逃げ出すという方法をとればそんな事にはならないのかもしれない。
しかし、私はそんな勇気は持ち合わせていないし、実行しても成功するとは思えない。
いくら私が死なないと言っても、タダでは済まないだろう。
「これからお前はこの生徒会室で俺達と共に住む」
今度は紅炎の代わりに会長が言った。同棲宣言。
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