12人が本棚に入れています
本棚に追加
ぽかんと阿呆みたいに口を開けたまま閉じられずにいる私を見て、唯一の女子である鈴木セレスティーヌが微笑みかけてきた。
「は? あのそれって……」
「大丈夫よ。一緒に暮らすと言っても男女で部屋別れてるし」
そういう問題じゃない。
「今日から私と同室よ。さあ、行きましょう」
セレスティーヌはそう言うと、私の手首を強引に掴んで部屋の奥の方へと引っ張っていく。
「えっ、ちょ……」
慌てている私とは対照的にセレスティーヌは楽しそうだ。
生徒会室の一番奥にはこれまた真っ黒な二つの扉があった。
片方のドアは飾りも何もない無機質なドア。もう片方は黒いドアには似合わない赤い薔薇のリースが飾られてあった。
セレスティーヌはそのリースが飾られている方のドアを開けて、中へと連れ込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!