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私が入ると、後から入ってきたセレスティーヌが静かに黒いドアを閉めた。
そういえば、セレスティーヌは私がさっき生徒会に入ってきた時も最後にドアを閉めた。なんだかデジャヴ。
「うふ、そんなに堅くならないで座って座って」
キョロキョロと警戒するように部屋を見渡す私を見てセレスティーヌが優しく笑う。
生徒会室は基本的に黒で統一されていて、必要な物以外は一切ない。とても人間が暮らしてるようには見えない部屋だった。
しかし、こっちのいわゆる私生活用であろう部屋はしっかり人間の生活感の溢れ出すシンプルながらもオシャレな部屋だ。
別に黒で統一されてる訳でもないし、むしろ白やら暖色やらの方が多い。
部屋の隅にあるガラスの丸テーブルの上にはセレスティーヌの趣味だろうか、ドアについていたのと同じ赤い薔薇が花瓶にささっていた。
私はお言葉に甘えて、レースのついたクッションのあるソファーに座る。その隣にセレスティーヌも座り込んできた。
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