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「ごめんね、こんな事に巻き込んで。会長ったらしっかり説明もせずにいきなりこんな……」
「あ、いえ、大丈夫です。むしろ連れ出してくれて助かりましたし」
思わず口をついてから気がついた。今はこんな意味不明な状況に巻き込まれているが、あんな私の最も醜い部分がさらけ出された殺人現場から無理矢理連れていかれて安心している。
あそこにあのままいたら私は捕まっただろうし、何より自分の感情がコントロールできなくなりそうで危なかった。
「いい子なのね。私いい子は大好きよ。愛ちゃんよね?」
「はい。えっと……せ、セレ……」
愛ちゃん、と親しみを込めて呼ばれたので、私も彼女の名前を確認しようとするが、彼女の名前な難しかった気がする。
カタカナであるのは覚えているが、中々全部思い出せない。
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