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「派手にやったな」 誰もいないはずなのに声が聞こえた。 肩をびくつかせて、反射的に顔を死んだ男の方から前を見上げると、そこには6人の謎の集団がいた。 全員、私の通う高校の真っ黒な制服に身を包んでいる。1人だけセーラー服で、それ以外は学ランだった。 こんな阿鼻叫喚な殺人現場に集団で踏み込んで、しかも驚いた様子も一切ないというこの時点ですでにおかしすぎる集団だが、更に彼ら達にはおかしな点があった。 全員、なぜか動物の被り物を被っている。 順に、山羊、狼、豚、狐、熊。そして、私に声をかけてきた皆より一歩前に出ている学ランを着ている奴はライオンだ。 実に繊細で剥製を思わせるかのような被り物だが、どれも共通して瞳が闇のように黒かった。まるで今の私の心のように。
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