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「っ…………」
ところが、いくらまてど銃声は聞こえない。
私が恐る恐る目を開くと同時に、銃口はゆっくり下ろされた。私は助かったらしい。
「殺したいのも山々だが、今生徒会には『嫉妬』を裁ける者はいない。そこの狼は『憤怒』だしな」
「え? え?」
言ってる意味が全然分からない。フンヌ? 裁けない?
ライオンは会話についていけませんという表情の私を無視して言葉を繋げる。
「生徒会へ来い。お前の贖罪は生徒会で嫉妬の罪を裁く者として所属する事だ」
は?
「わ……私に生徒会に入れと?」
「命令というより、確定だ」
「な、何を勝手に……!」
軽く声を荒げて反論した時、突然大きな音が鳴り響いた。
……銃声?
だが、狼の手を見てみると銃は下ろされたままだ。
……撃ったのは、ライオン。 わざと外したのか、銃弾は私の頬をかすめただけだった。
「断るなら、死んで罪を償え」
ライオンが銃を強く握り、再び撃とうとする。
私は思わず叫んだ。
「待って待って! は……入ります! 生徒会入りますから!」
これが、はじまり。
悲しき罪の連鎖。
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