風の吹く丘

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俺は針刀に力を注ぎ、貫通力を高める。 鋭く磨ぎしまされた針刀を風で操作する。 「能力つきなら当たっただけで身を切るぜ?」 「ふん。あたらなければ意味がないさ」 「雷の属性の人間じゃないと躱せねぇよ!」 と俺は全力で飛ばす。 うん、飛ばしたハズなんだけどな…。 つか現在進行形で飛ばしてるつもりなんだけどな…。 空中でとまってるってことは…。 「さすがにこれ以上は許しませんよ…?」 「さ、サーセン(すいませんでしたっ)」 俺と虎太郎は同時に謝った。 海己の力。「時」を操る魔法だ。 つまり俺の針刀は時の流れから隔離されているということ。 「もう飛ばさないから、直させてください…」 「いいですよ~。でももう喧嘩はやめてくださいね?」 「はい…」 二人はシュンとなった。
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