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――…
「ウ… ウィル先生。はっきり言わせてもらいますが、貴方はキッチンに立たないほうがいいと思います。
…っていうか、寧ろ、料理に向いていないと思う!はっきり言って、マズすぎです。殺人的な味ですよ」
青い顔から一変、額に青筋を浮かばせるクリフェイドは少し声が低めだ。
「あ゙ー? そうか??」
「はぁーっ だいたい、味見しましたか?」
「いんや、してない」
ウィルはニッカリ笑う。
「…味見して下さい」
口元をヒクつかせるクリフェイドは溜め息と同時にぼやいた
「…栄養補給食材のほうがまだ美味しく思える… はぁ…っ」
そのクリフェイドのぼやきにウィルの眉がピクリ…。
「な…にぃ?」
俺の作る飯は市販の栄養補給食材に負けるのか!!と火がついたウィルは‥
―バンッ!!!!
「うしっ!そこまで言われたら男が廃る!!!テメェに、ぜってぇ旨い!て言わせてやる!!」
ドアを叩くウィルは拳を作り燃えていた‥
「テメェ!見てろよ!?糞ガキぃぃ゙ぃい!!!」
…こうして、保健医がなぜか生徒会室に居座り、徹底的な体調管理もウィルによって実行された。
しかし、一方‥
『なぁ、知ってっか?ウィル先生が帰って来ないのは副会長に埋められたからだらしいぜ!?』
『ひっ…!マジかよ!?』
クリフェイドの呼び出しに生徒会室から帰って来ないウィルにまた新たな噂が立っていることに彼ら二人が知るはずもなく――…
「よぉーし!今度は旨いぞ!! 喰えっ!!」
ガシャンっ と乱暴に置かれる皿にクリフェイドの顔が引き攣る
「イヤイヤイヤ!なんでまだいるんですか!?つか、アンタは僕を殺す気ですか!!?」
「ほらっ 喰え!!」
スプーンに乗せ、クリフェイドの口に強引に突っ込むウィルは鬼だ…
「うぐっ… 」
クリフェイドの眉間に皺が寄っていく
「……塩を入れすぎだ!辛い!!それと水が多い!水っぽいし、ぐちゃぐちゃだ。きちんと量りで計ったのか!?」
「ふむふむ…(カキカキカキ)」
クリフェイドの感想をそのままメモ帳に書き綴るウィルは、ペンを置く。
「よしっ 任せろ!!今度はいける!!!」
「あ、おい待て!…はぁーっもう…」
だから何故、此処に居座るんだ!?
保健医ウィル・ストンに振り回されているクリフェイドは新たな悩みに溜め息をついた‥。
(完)
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