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返答に困るな。
と思ってメリーさんを眺めていると、彼女はぐいぐいと両手で私を押す。
台詞のわりには今ひとつ力がない。居眠りしてる人を揺り起こしているような感じで遠慮がちに数回私を押した後、
「あれー?」
と言って手を下ろす。
「何? どうしたの? 死ねって?」
メリーさんは私を殺しに来ていたのか。いまさらだけど。
「おっかしいなあ、こうすると川の向こうに行けますってメールが来たんですよ」
私が死なないのがおかしいのかね。
彼女の携帯が鳴る。鳴り続けているのでメールではなく電話の着信のようだ。
「はい。もしもし。どうも。なんか変ですよ?そっち行けないですよ? え? あ、はいちょっと待ってください」
彼女は私に携帯を差し出した。
「あの、鬼さんが代わってくれって」
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