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「いやオレ寝るときいつも全裸だし」
「いやあああああキモいいいいいいい!」
「夜中に人んちに押しかけといてそれはないんじゃないか。おじさん傷ついちゃうな」
実際、幽霊とは言え、美少女にキモいとか叫ばれると本当に傷つくぞ。
顔見てないけど。
何故顔を見てないかというと、私は脚フェチで、女性のお姿を拝見する時はまず最初に脚ということもあるが、今回の場合、ドアを開けた直後に彼女が両手で自分の顔を押さえたからだ。
仕方ねえな。
リビングに干しっぱなし(部屋干し派なのだよ)の洗濯物からパンツとTシャツを収穫して身に着ける。
「おいパンツ履いたぞ」
「ホントですか?」
「ホントホント。
Tシャツも着たし」
ここでようやく噂の美少女のご尊顔を拝見。
美少女……、と呼ぶには若干頬がふっくらしていて、と言うかやや丸顔で、良く言えば切れ長のすっきりした目で、お雛様のような、悪く言えばいくらでも言いようがあるのだが置いておこう。
やや厚めで小さい唇は可愛らしい。
髪型は若干乱れてはいるものの、肩より少し上くらいのおかっぱストレートでつやつやした綺麗な髪だ。
幽霊だからか色はとても白い。
色の白いは七難隠すって言うしな。
「今何か失礼なこと考えませんでしたか」
「おお、さすが幽霊、読心術か」
「色の白いは七難隠すって言ったじゃないですか」
悪い。長年一人暮らししてるとつい口にでちゃうんだ。
「えーと」
彼女はただでさえ細い目をさらに細め、恐る恐るといった感じで近づいて、不審そうな表情で私の顔を見る。
そして白っぽいワンピースのポケットから携帯を取り出し、二三操作をしたあと、ディスプレイを私に向けた。
「この写真、あなたですよね?」
「おお、懐かしいな、かれこれ二十年以上前に撮ったやつじゃんこれ。
なんでこれ持ってんの?」
「あああ!
騙されたああああああああああ!」
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