第一章 ~正式な部員~

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「鎌滝くん、授業お疲れ様。あ、ギター。」 「おう。持ってきたんだ。使うだろ?」 「うん。私と一緒だね。嬉しい。」 長咲は頬を染めて喜んでいた。見ると、長咲も同じギターを背負っている。昨日弾かせてもらったレスポールだろう。確かに、隣に同じくギターを背負っている人がいると嬉しいな。俺たち二人は、部室のある新校舎に向かった。 話ながら歩くと、すぐに新校舎についた。相変わらず新しい建物の匂いがする。もう部活は始まっているのか、二階からドラムのビートが聞こえた。力強いエイトビートだ。 「あ、このビート、智秋だ。」 長咲は少し駆け足で部室のある二階に向かったので、後を追うかのように俺も小走りでついていった。昨日と同じ部屋、第二音楽室につくと、長咲はワクワクしながらだろう。ドアを開けた。ドラムの音がシンバルの音で止み、元気な話し声が聞こえた。どうやら、長咲の友達がいたようだ。俺も部屋に入る。そこには、ショートヘアーにヘアピンを付けた子がいた。 「智秋、早いね。」 「急に凄く叩きたくなってね。先に来たんだ。」 智秋と言うらしい女子は、俺の存在に気づいた。 「この人は、今年からこの軽音楽部に入った鎌滝健一くん。隣のクラスだから一緒に来たんだ。」 「そうなんだ。へぇ~。」 智秋は俺に近づいてきて、まじまじと俺を観察していた。元気そうな子だな。俺は少し微笑んでやった。 「良い人みたいね。よかった。ねぇねぇ、なんの楽器やってるの?」 「ギターをやってる。」 「じゃあしょってるのはギターね。ちょっとやってみてよ。」 智秋に言われたので、俺はギターケースからえすじの助ならぬSGを取り出した。真っ赤なボディは可愛…いや、格好良いな。…俺も妹に似てきた。 「アンプはあるか?」 「あ、うん。」
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