第3章

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* 「どっちの女の人がおばあちゃんなの?」 僕はおじいちゃんに聞いた。 「どっちだと思う?」 「僕はすぐに泣く奴、嫌いだよ!僕のクラスにもいるんだ」 僕はクラスの女子を思い出し、少し早口で答えた。 「ははは。嫌いなのか。でも嫌いなんて言葉、簡単に使ってはいけないよ」 おじいちゃんは僕の質問には答えず、優しく諭してくれた。 「うん、ごめんなさい。で?どっち?」 僕は待ち切れなくてうずうずしていた。 「おや、もうこんな時間だ。翔太、お風呂に入って、ご飯の時間だよ。早くしないとママに叱られるぞ」 おじいちゃんはおどけた様にそう言い、 「続きはまた明日話そうな」 と約束してくれた。
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