第4章

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どこが好きかと聞かれれば、どことは答えられない。 顔? もちろん顔は好みの顔だった。 性格? 性格なんて知らない。 ただ分かるのは、彼女が自分にとって特別な存在に違いない、ということ。 周りとは違う、輝いて見えるのだから。 しかし、彼女にとってはどうだろう。 僕なんて、ただの客だ。 それも大勢の客の一人にすぎない。 覚えてもらっているかどうかも疑わしい。 そんなことを乙女のような気持ちで思い巡らせていた。
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