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「なに?」
上目づかいでもじもじしながら、
「質問しても、いいですか」
「うん、いいよ」
優しい口調で言うと、女子生徒はほっとしたように笑顔を見せた。
「えっと……」
「うん」
「先生は、彼女とか居るんですか?」
「……」
――今、なんて?
俺が無言で見つめ返していると、生徒は何を勘違いしたのか、見る見るうちに顔を赤くしていった。
すると、女子生徒がもう一人、ずいっと足を進めて来た。
「先生!」
「……はい」
「先生の好みのタイプ、教えてください!」
「……」
「私も聞きたいっ」
「あの、先生、一緒に写メ撮らせてください」
「ずるい、わたしもっ」
一気に賑やかになった放送部室で、俺は呆然と立ち尽くしていた。
……何て言うか……。
ちょっと今、本気でがっかりした。
その時、一人、ブースの中を見ていた女子生徒がくるりと振り向いた。
「ばっかじゃないの」
その声に、俺も含めた全員が、身体を強張らせる。
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