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長く伸ばした髪をくるくると巻いた、ちょっと派手な感じのその生徒は、軽蔑したような目で女生徒達の顔を見渡した。
「あのねえ。…今、部長さんが、わたし達に聞かせようと、真剣に原稿読んでるんだからさ、こっちも真面目に聞かないと失礼だとか、思わない?
その先生目当てなら、こんなところで口説かないで、待ち伏せでも何でもして他所でやってよ。放送が聞こえないから、迷惑」
室内が水を打ったように静まると、その生徒は満足そうな顔をして、再びブースの方を向いてしまった。
「……」
さっきまでキラキラ笑顔を浮かべていた女生徒達は、一転、顔をひきつらせ、顔を見合わせた。
「…行こう」
「帰ろっか」
そう囁き合うと、俺に会釈しながら、次々と部室を出て行く。
バタン、とドアが閉まった時、部室には、その生徒と俺だけが取り残された。
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