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…もしかして…。
俺も一緒に怒られたのかな、今。
やたらきりっとしたその後姿は、真っ直ぐにブースの中の奈良崎を見つめていた。
スピーカーからは、淀みない声が聞こえている。
『……近頃では、電車やバスの中で被害に遭うケースも多数報告されておりますので、女性徒は出来るだけ一人での登下校は避けるようにしましょう。
続いて、明日のアルミ缶つぶしについてです…』
「先生」
女性徒がくる、とこちらを振り向いた。
「はい、何でしょう」
なぜかつい、敬語で応える。
「すみませんでした。生意気なこと言って」
彼女はバツが悪そうな顔で肩を竦めた。
「私も確かに先生はカッコいいと思うけど…。
でも、なんかちょっと、…今、それは違うんじゃないかって思って。
一応あの人、がんばってるし」
そう言って、ブースの中に視線をちらりと投げる。
…へえ。
見た目は、髪の色といい、パーマといい、校則に違反する個所は多々あるようだが、…言っている事は、かなり筋が通っている。
こんな高校生を久しぶりに見て、俺は何となく安心した。
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