第4章

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…そういえば。思い出した。 俺は、ベンチの背もたれから身体を起こし、ぐっと顔を寄せ、真嶋を見据えた。 「…お前、言っただろ」 「…センパイ…顔、近いです」 「頬を染めるな」 真嶋のおでこをペチッと叩く。 「痛い」 「もっと痛くする?」 「……」 「嬉しそうな顔、するな」 もう一度ペチペチッと叩いてから、さらに顔を寄せる。 「今日子先生に余計なこと言ったの、お前だろ」 「え、何のことですか」 「……」 「ひどいな、先輩。何かあるとすぐ俺のこと疑って」 しゅんとした顔をされ、何も言えなくなっていると、 「サツキちゃんのことくらいしか言ってませんよ」 「やっぱりお前か」 白衣の襟元を掴んで引っ張ると、真嶋はにへ、と笑顔を浮かべた。 「だって、今日子先生が退屈で死にそうだから、面白い話しろって言うんですもん。 大きいおっぱいの人にそんな事言われたら、抗えないでしょ、男なら」 「……」 俺は、愕然とした。 こいつら…。 組むと、ものすごくやっかい。 .
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