第4章

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「とにかくお前は、口が軽すぎなんだよ。もっと芹沢を見習って、黙って、男らしく…」 「芹沢さんも一緒に居ましたよ。 『やめろよ、お前―』とか言いながら、一緒にうひゃひゃしてましたけど」 「……」 俺はどっと疲れが出て、真嶋の白衣を放した。 「もういい」 「先輩、元気出して下さい」 ポン、と肩に置かれた手を、ぺしっと払う。 「…来週の土曜日は本当に予定が入ってるから、悪いけど他の人を誘って」 「えーーー」 俺はふいと顔を逸らし、隣の校舎の屋上に目をやった。 …あ。 バレーボールをする輪の中に、坂口万優架の姿を見つけ、俺の意識はそちら側へ飛んだ。 「先輩が居ないと、つまんないなあー」 真嶋の声を方側の耳だけで聞きながら、その様子を観察する。 …いるんだよな、こういう、何でもできる生徒って。 坂口は、バレーボールも抜群に上手かった。 飛んでくるボールを、器用に、まんべんなく輪の中に回して行く。 感心していたその時、その円陣に、誰かが近づいて行くのが見えた。 黒髪の、制服姿の女性徒。 …あれは…。 伸び上がって、その顔を確認しようとした時だった。 坂口の手から放たれたれた球が、大きく逸れた。 ――危ないっ。 俺が思わず立ち上がるのと、白いボールが白パンツの顔面を直撃するのが、ほとんど同時だった。 .
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